【バイリンガル子育て】- 16 – オーストラリアと日本の褒めるポイントの違い

こんにちは。
シドニーからオーストラリア流マイペース子育てのヒントを発信しているもとこです。

今日はシドニーで暮らしていく中で、学びがあった褒め方についてです。
欧米では人のことをよく褒めるという印象を持っている方も多いと思いますが、褒めるのが多いだけじゃなくて、褒めるポイントも違うんだなあと気づきましたので、そのへんのことをシェアしたいと思います。

日本人は褒めるのが苦手?

オーストラリア人の話をする前に日本人はどうかというと、私もそうですが、そもそも日本人は褒めるのが苦手という人が多いのではないでしょうか。
日本人は思ったことをそのまま口にするタイプではないですし、シャイな国民ですよね。

ついでにいうと、褒められ下手な人も多い気がします。何てったって、謙遜が美徳とされてきた文化の日本。褒められても、素直に「ありがとう」というよりは「そんなことないよ」と言ってしまう人も多いですよね。
そうなってくると、褒める方も褒めにくいという、ちょっとした悪循環になってしまっているかと思います。

そして、謙遜の国民である日本人は外に対して自分の身内のことについても謙遜するので、他の親と話すときに自分の子どものことを冗談っぽくけなしたりしますよね。奥さんや旦那さんのことも他の人に対して褒めたりなんてあんまりしないと思います。
私も謙遜する文化に育ったので、身内のことを下げて話すことが当たり前になっていたけど、当人が聞いたら絶対いい気はしないですよね。

日本とオーストラリア褒めるポイントの違い

オーストラリアでまず感じたことは、こちらの人は大人も子どもも、とにかくよく褒めるということ。子どもたちを見ていても、日々のちょっとした服装や髪型のことはもちろん、スポーツの時間にお互いに褒めあったりしてます。
あと、旦那さんが自分の奥さんのことを褒めたり(絶賛したり!)する場面に出くわすことも多いです。

そして、よく褒めているというだけではなくて、褒めるポイントも違うことに気がつきました。オーストラリアの親を見ていて、よく褒めているなと思うのは以下のようなときです。

・何かに挑戦したとき
・自分の意見が言えたとき
・自分で考えて行動できたとき
・新しいことを始めたとき

褒めるポイントで文化の違い・価値観の違いを感じたエピソード


褒めるポイントが違うんだなーと強く感じたことがことが何回かあったので、そのエピソードを紹介します。

オーストラリアに住み始めて間もない頃、長男はまだ5歳で英語が話せない状態でした。
そんな中、通っている保育園で子どもたちが一人ずつ将来の夢について発表することがありました。
「うちの子は英語もできないのにどうするのよーー。」とすでに心が折れそうになったのを覚えています。私は親として一応の体裁を保とうと、写真を用意して、長男が即席で覚えられるような英文をいくつか準備し、覚えさせました。

発表当日、親は同伴ではなかったので、先生たちにどうだったかときいてみると、絶賛の嵐でした!
「Toshi was very brave./トシは勇敢だったよ。」
「He should be very proud of himself for feeling confident in getting up in front of the group to share his interest./みんなの前に立って、堂々と自分の興味のあることについて話したんだから、自分のことをとても誇りに思うべきよ。」


本人は少しは英語を話したかどうか聞いてみると、train diverの一言だけで、クラスにたまたま一人いた日本人の先生がほとんど説明してくれたそう。

先生たちの感想を聞いて、トシが発表で求められていたものと、私がしなきゃいけないと思っていたことに差がだいぶあったことに気づきました。

私だったら英語でうまく文が言えたとか、そういうところに着目してしまうし、そこができたら褒めていたと思います。


オーストラリアでは、「本人が今できることを堂々とやることが大切。」「できそうにないことにも挑戦することに意義がある。」「みんなの前に立つということが大事。」というスタンスで子どもを褒め励ます教育をしていることが分かり、何だか私も励まされたような気分になった出来事でした。

褒めるポイントで文化の違い・価値観の違いを感じたエピソード

それからもう一つ。

子どもたちが通う小学校では、毎年学年末に数種類のアワードが選ばれた生徒に授与されるんですが、その中にアカデミックアワードというものがあります。
ある年、我が子と同じクラスで勉強に少し遅れがあり学校で特別にサポートを受けている子がアカデミックアワードを受賞しました。
初め「おや?」と思いましたが、この賞は必ずしも成績優秀な生徒に渡されるものではなく、学力の伸びがあった子、真剣に勉強に取り組んだ生徒に渡されるんだと気づきました。
なので、クラスの中で相対的な成績が良くなくても、学びのスピードが他の子よりゆっくりでサポートを受けている生徒でも、アカデミックスの賞をもらっています。
他の子と比べて優秀かということより、その子の中での成長や努力が評価されるんですね。

私は日本の詰め込み教育(ゆとり教育前)で育った世代。
高校はガチガチの進学校で毎回の試験の順位が張り出される環境、習い事のバレエでも自分を他人と比べてばかりいるような子どもでした。涙

それもあってか、自分の子どもの相対的な成績や、何ごとも「うまくやれているか」という結果に目が行きがちでした。

なので、子どもを褒めるときも、子どもが何かうまくできたとき、親の期待に沿う結果を出したり、期待に沿う行動をしたりした時に褒めていた気がします。
でもそれって、無意識に子どものことをコントロールすることになるし、褒められていても子どもにとってはプレッシャーですよね。

また、かつて経営していたカフェのスタッフに対してもできるのが当たり前の前提で、減点方式で仕事ぶりを見てしまい、褒めること自体が少なくなってしまっていました。

(もちろん、結果重視や減点方式のものの見方がすべて日本の教育のせいじゃありませんし、人生で競争が必要な場面、結果が全てということもあると思います。)

だけどオーストラリアで生活していくうちに、私の褒めるポイントもだいぶ変わりました。自分の考えが、オーストラリアの主体性を重んじる教育に影響されているせいもあると思います。

それに、オーストラリア人みたいに恥ずかしがらずに、大げさに、頑張っている人、挑戦している人、そして自分の子どもや家族のことを褒めれるようになってきたと思っています!!


オーストラリアの褒めるポイントを私の体験談や、私の反省点も交えつつ書きましたが、どうでしたか?共感できる部分などあったらコメントいただけると嬉しいです!


次回からも、オーストラリアの日々の生活で気づく子育てのこと、子育てを通しての自分の変化や成長を綴っていきますので、お付き合いください!

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